変数と型
ここでは、変数と型について説明します。
VBAには、変数や型についての概念が、あまりありません。
実は変数や型について特に意識をしなくても、プログラムを組むことができます。
しかし、概念があまりないからこそ、変数や型を意識しないでプログラムを組むと、バグが発見しづらいプログラムができあがってしまうのです。
なので、しっかりと理解をしておくことをお勧めします。
変数とは
変数とは、『データを一時的に保持しておくための場所』のことです。
プログラミングの入門書では、しばしば『データを保管する箱のようなもの』と説明されています。
変数を作成することを、『変数を宣言する』といいます。
変数を宣言するには、Dimステートメントを使用します。
Sub 変数を宣言するサンプルプログラム()
’ hensuという変数を宣言します。
Dim hensu
End Sub
データを保持することを、『変数に値を設定する』、『変数に値を格納する』、といいます。
変数に値を設定するには、変数の右に=(イコール)を書き、その後ろに値を書きます。
Sub 変数に値を設定するサンプルプログラム()
Dim hensu
’ hensuという変数に、1という値を設定します。
hensu = 1
End Sub
変数は、プログラムの基礎の基礎ですので、しっかり理解しておきましょう。
型とは
型とは、『変数の性質』を表すものです。
変数には、決められた形があり、それに併せてプログラムを組まないと、コンパイルエラーやバグを引き起こしてしまうこととなります。
例えば、数値型の変数には数字しか設定できず、文字型の変数には文字しか設定できません。
変数を宣言する際、Asを後ろにつけることで、その変数の型を定義することができます。
Sub 変数の型を定義するサンプルプログラム()
’ String型のhensuという変数を定義します。
Dim hensu As String
End Sub
VBAにはいくつか型がありますが、ここでは代表的な型を列挙します。
ひとつひとつの型の違いを理解することをお勧めします。
型 | 日本語名 | 説明 |
---|---|---|
Boolean | 論理型 | True または False。 |
Integer | 整数型 | -32,768 から 32,767 までの整数。 |
Long | 長整数型 | -2,147,483,648 から 2,147,483,647 までの整数。 |
Single | 単精度浮動小数点数型 | 負の値は -3.402823E38 ~ -1.401298E-45、 正の値は 1.401298E-45 ~ 3.402823E38 までの小数。 |
Double | 倍制度浮動小数点数型 | 負の値は -1.79769313486231E308 ~ -4.94065645841247E-324、 正の値は 4.94065645841247E-324 ~ 1.79769313486232E308 までの小数。 |
String | 文字列型 | 約2GB までの文字列。 |
Date | 日付型 | 西暦100年1月1日 0:00:00 から 西暦9999年12月31日 23:59:59 までの日付。 |
型 | 日本語名 | 説明 |
---|---|---|
Object | オブジェクト型 | オブジェクトのアドレス。実体は持たず、参照型の型。 |
Range | セル | Excelのセル。ワークシート内のセルを参照するための型。 |
Worksheet | ワークシート | Excelのワークシート。ワークブック内のワークシートを参照するための型。 |
Workbook | ワークブック | Excelのワークブック。Excelファイルを参照するための型。 |
型 | 日本語名 | 説明 |
---|---|---|
Variant | バリアント型 | 定数またはユーザ定義型以外のどれにもなりうる型。型指定なし |
型 | 日本語名 | 説明 |
---|---|---|
(任意の型名) | ユーザ定義型 | 複数のメンバを持つ、独自の型。構造体 |